新型コロナウイルス感染症が変えたもの(3:仕事とその周囲 その1)
3.仕事とその周囲 その1
世の中はテレワークで持ちきりですが、我々のような仕事はなかなかテレワークで、というわけにはいきません。
まずは、直接対面を行うことから始まります。
病状が落ち着いている人は電話で対応して処方箋を調剤薬局にFAX送信すればOK、という厚生労働省にしては画期的な(?)方針が打ち出されました。
そのために、定期通院の方々の中には、電話対応で済ませた人たちも多かったことだと思います。
今どきFAXかい、ということは置いておきたいのですが…。
ただ、今回の流行時においてさえ、保健所→都道府県→厚生労働省間はFAXでやりとり、手作業で集計、という10年前の話かと思うような作業工程だったという話なので、処方箋FAXというのは、それに比べればまだましなもの、と思えます。
【参照記事】
新型コロナ死亡者数急増の謎と不安をあおる不透明な情報
(2020.5.19 日経ビジネスオンライン 河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学)
その一方で、今回の新型コロナウイルス感染症流行で、新たな道が模索されています。
オンライン診療です。
もともとあったオンライン診療ですが、医療従事者の感染曝露回避という観点から注目度が高まっています。
日経メディカルに出た下記の記事が参考になるかと思います。
【参照記事】
電話診療とオンライン診療を混同した議論は危険(2020.5.8 日経メディカル)
Withコロナ時代は来院させない医療にも価値を(2020.5.13 日経メディカル)
日本プライマリ・ケア連合学会もオンライン診療ガイドというのが出てきました。
【公式サイト】
「プライマリ・ケアにおけるオンライン診療ガイド」(2020.5.20 日本プライマリ・ケア連合学会)
今後は、感染症流行時や訪問診療におけるオンライン診療が広まっていくと予想します。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来や禁煙外来など、わざわざ病院まで足を運ぶ必要がなさそうな外来診療は、オンライン化されていくと思います(他の併存疾患がない場合に限りますが)。
それにより、医療従事者の感染リスクや感染者が病院内に入ることで生じる院内感染リスクを回避することができます。
また、患者や家族にとっては病院通院までの、医療従事者にとっては病院内での患者対応の、労力と時間がかなり節約でき、双方にとってメリットが大きいです。
今回の感染症流行を契機に、旧態依然たる医療体制が少しでも進歩してくれるのであれば、まさに「禍を転じて福と為す」と言えるでしょう。
少なくとも、患者数をFAXでやりとりして手作業で入力するようなことくらいは、第二波襲来のときまでには改善してほしいものです。
(笑い話で済ますのではなく、日本の疫学情報の信頼性に関わるような、国際的にも大きな問題だと思います)
<関連あるかも記事>
- 人が集まる九ヶ条(2024.03.09)
- さだまさし「あいうえお理論」(2024.03.07)
- 啓蟄、そして新たなスタート(2024.03.05)
- エネルギーを集める(2024.02.15)
- 冬2年目がやってきた(2024.02.13)