映画『翔んで埼玉』
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【映画.com】
跳んで埼玉
<Movie 20-02>
【しんちゃんオススメ ★★☆☆☆ 良くも悪くも】
<内容>
かつて東京都民からひどい迫害を受けた埼玉県民は、身を潜めてひっそりと暮らしていた。
東京都知事の息子で、東京のトップ高校である白鵬堂学院の生徒会長を務める壇ノ浦百美は、
ある日、アメリカ帰りで容姿端麗な謎の転校生・麻実麗と出会う。
百美は麻実に淡い恋心を抱き、互いに惹かれあっていく。
しかし、麻実が埼玉県出身であったという衝撃の事実を百美が知ってしまい、
2人は東京と埼玉の県境で引き裂かれることとなってしまうが……。
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原作は『花とゆめ』(白泉社)に1982年(昭和57年)から連載されていたものらしいです。
連載中に掲載を中断、『未完の漫画作品』となったようです。
それがなぜ、2015年くらいからSNSで話題となり、復活を遂げたのだとか…。
あれこれと義務がなくなった子供が観ていたので、いっしょに鑑賞しました。
正直なところ、なぜこれを実写化しなければならなかったのか、と不思議に思います。
スタッフは埼玉県と地番県の出身者が多かったようですが(劇中写真にも出身者が登場)、
主演の二人は沖縄県出身という、これまた謎の選択肢です(笑)。
埼玉県があちらこちらで話題となっていた昨今、火付け役は原作だったのかもしれませんね。
そのおかげで、埼玉県も妙な脚光を浴びることができて、知名度が上がったかも(苦笑)。
ガリガリ君やファミリーマートが埼玉発祥なんて、それまで知りませんでしたし。
最後に流れてきたはにわの唄は面白かったです。
その一方で、このような作品を映画にしたりするのはどうなんだろうという疑問が湧きました。
率直に言って、内容的には全然面白くありませんでした。
ばかばかしく、そして、まったくくだらない映画、と言っても過言ではありません。
まあ、そのように制作したのでしょうけど。
キャストの人たちに求められていたのも、馬鹿になりきることだったのかもしれません(真剣にそう思います)。
また、原作者が中断の理由に、「“埼玉県に対する悪意のある作品となってしまう”懸念」があったと述べているように、これはかなりまっとうな見解と思います。
これがいい映画というなら、日本の映画は今後自虐ネタが主流、ということにならないでしょうか。
いやいや、こんなふうに、マジメに作品を評価すること自体が、監督の術中に嵌まっているのかもしれません。
真面目にしかめ面しながらもの考えせず、単に馬鹿笑いしながら何も考えずに観てね、という、今の日本の気質に合った映画を提供して、日本人の反応を見たかっただけなのかも。
お祝いの酒を飲みながら…
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